あまちゃん 第140回「おら、やっぱりこの海が好きだ!」感想

ユイちゃんを変えてしまったものを確かめようと、大吉さんと共にトンネルの向こうを目指すアキちゃん。そこで目にした光景は…

TVなどで散々目にした、瓦礫の山。どうみても非現実的な景色なのに、普段それを見ていた人が目の当たりにした衝撃はどれほどなんだろう。長くあまちゃんを見てきて、ようやくユイちゃんの気持ちを僅かにでも想像できる程度かもしれません。

そこら辺にある底引き網をミサンガにすることを提案するも、「底引き網は漁師の魂が宿っている、神聖なもの」…はねつけられるアキちゃん。だからこそミサンガとして身につけて、漁に出る気持ちを奮起させようと提案する夏ばっぱ。売上で新しい網も買えて一石二鳥、と。ここでも「転んでもただでは起きねぇ北三陸」節が炸裂!

早速できたミサンガを手に、リアスの客を物色するやよいさん。そしておもむろにストーブさんの手を掴みあげ装着!「なんでストーブさんに?!」と少し荒くなるアキに、「この中で一番幸薄そうな顔してたから」と答え、「あぁぁ…」と深く納得する一同。ここでも相変わらず残念な感じのストーブさんに笑いました(笑)

ずぶん先輩といちゃいちゃ長電話して、「電話代も電気代ももったいねぇ」と夏ばっぱにたしなめられるアキ(笑)

そこからのやり取りは真剣。「あんな津波があって、海に潜るのは怖くないの?リアスもあるし、無理に潜る必要はない。なして?」とアキ。

それに対して夏ばっぱ「潜らなければどうやって生きる。リアスで食っていけても張り合いがねぇ。」「海が荒れたのは今度が初めてじゃねぇ、50年前のチリ地震の時も大変な騒ぎだった。生きてるうちにもう一度怖い目にあうとは思わなかった…が、おまんまを食わせてくれた海が一度や二度へそを曲げたからと言って、よそで暮らすなんて気持ちで生きてねぇ」と。

東北で、実際に海の恵みで生きている人はどう思っているんでしょう。一つ言えるのは、「危ないのは分かってるんだからよそに住め」って遠くから他人事のように言う人よりは、海の怖さも、ありがたさも、ちゃーんと分かってるんだろうな…なんて思いました。

しかし67歳を四捨五入して100歳にしちゃうのは笑いました。夏ばっぱも「どこで四捨五入してんだ」と。10の位で四捨五入しちゃうと、49歳までは0歳ってことになっちゃいますからね(笑)普通はやらねぇ…

あと、すね毛をミサンガに編みこんでしまったいっそん。「わざとだろ!」とみんな心の中で思ったはず(笑)

あらすじ

  • 何がユイを変えたのかをその目で確かめるために、大吉さんと一緒にトンネルの向こう側を見にいくアキ
  • オープニング
  • 瓦礫の山を目にして、言葉を失うアキ
  • (あの日ユイが見たのはこんなものじゃなかったはず)
  • (夏ばっぱも、海人クラブのみんなも、他のみんなも、多くの物を失いそれでも笑ってる)
  • 底引き網を見つけ、海人クラブでミサンガにしようと提案するアキだが、反対される
  • 底引き網には漁師の魂が宿ってる。神聖なものなんだ…と
  • 「だからこそほっとく手はねぇ。それを見れば、一刻も早く漁に出なければと思う復興のシンボルになる。しかも売上で新しい網も買える」と夏ばっぱが後押し
  • 早速出来たミサンガを手に、周りを見渡すやよいさん。
  • 目星をつけて、ストーブさんの腕にミサンガを装着!
  • アキの「なしてストーブさんに?!」の問いに、やよい「この中で一番幸薄い顔してっから」と答え、「あぁ」と納得するリアスの一同
  • リアスの外で北三陸ミサンガPR映像の撮影。ユイちゃんも一緒にと誘うが、「私はいい」と断られ一人で撮影するアキ。
  • 種市先輩と長電話するアキ。電話が終わり「電話代も電気代ももったいねぇ」と狸寝入りしていた夏ばっぱにたしなめられる。
  • 夏ばっぱに「海に潜るのは怖くねぇの?」と尋ねるアキ
  • 夏ばっぱ「潜らなければどうやって生きていく」「小遣い稼ぎじゃ それじゃあ張り合いねぇ」
  • アキ「67だべ。四捨五入したら100歳だべ。」夏ばっぱ「どこで四捨五入してんだぁ」
  • 夏ばっぱ「海が荒れて大騒ぎしたのは今度が始めてじゃねぇ。50年前のチリ地震の時も大変な騒ぎだった。生きてるうちにもう一回怖いめにあうとは思わなかった」
  • 「でもだからってよそで暮らすなんてそんな気分にはなれねぇ。組合長も一人息子を19の時に亡くして、遺影も遺品も津波に飲まれた。」
  • 体毛を編み込みいっそん
  • 夏ばっぱ「そんな組合長によそで暮らせなんて言えるか?」「それにオラが離れたら忠兵衛さんはどこに帰ってくんだ。」
  • 「おまんま食わしてくれた海が一回や二回へそを曲げたぐらいで…よそで暮らすべなんてオラはなっからそんな気持ちで生きてねぇど」
  • 噂をすれば北三陸のベストカップル…といって登場する組合長、メガネ会計ばばあ、いっそん

あまちゃん 第22週「おらとママの潮騒のメモリー」

今更のようにあまちゃん感想。書くネタないんだから、もっと早くに書いておけば良かった(笑)

東京アイドル編の、そして天野春子のクライマックスでしたね。笑える要素はちゃんと仕込みつつ、やたらと泣けるシーンの多い週でした。

その中でも圧倒的だったのは131話。太巻の「申し訳ない、春ちゃん」で涙腺決壊、涙ぼろっぼろ。20年近く抱え続けた心のしこりのような感情が流れ込んできて、もう我慢できませんでした。

お次は129(だったかな?)話。夏ばっぱの復帰で親孝行も潮時だと感じて、そっと東京に帰る春子。それに気付かずに、ウニ丼を持たせてやるんだと部屋のふすまを開いた時の夏ばっぱの表情や、ウニ丼を強く握りしめた仕草で崩壊。もう親子のわだかまりは解けたのに、相変わらず不器用な二人だなと泣き笑いでした。

一つだけ気になったのは、二人の別れ方。登場人物は知らない、でも視聴者は知っている3月11日。このXデーが近づくにつれて、これっきり二人が会えなくなったりしないといいな…と一抹の不安を覚えたのでした。

前髪クネ男は面白かったです。なんなのこのチャラさ、なんなのこの腰のクネり具合(笑)試しに自分でもクネってみたけど、案外むずかしい。クネり続ける彼は実は凄いのかもしれない…でもウザい。

その後のずぶん先輩との初キスは、前髪クネ男とのキスよろしく、カメラワークで視聴者には見えないようになっていましたね。メタ要素たっぷりです。

いよいよ次週は震災。まだ記憶に新しいシーンをどう表現するのか、とっても気になります。登場人物に愛着があるから、ちょっと見るのが怖い思いもあります…